共働きだと遺族年金はもらえないの?
相談者 S美さん(40歳・会社員 年収300万円)
会社員の夫に大病がわかりました。12歳の息子が一人おります。
もし万が一夫(50歳・26年間厚生年金加入)になにかあった時の遺族年金について教えてほしいです。
共働きでも遺族年金はもらえますよね?
answer
年金制度って難しいですよね。でもお子様もいらっしゃるので万一を考えて今から
遺族年金のことを知っておくことはとても大切な事だと思います。
公的年金の遺族給付には遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
まず遺族基礎年金についてご説明します。
遺族基礎年金の受給資格
・死亡した人に生計を維持されていた子・または子のある配偶者
子供の要件
〇18歳になった年度の3月31日までにある方
〇20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方
生計を維持されているとは?
〇受給資格者の収入が850万円未満、または所得が655万5千円未満である
共働きで男性並みに稼いでるよって女性はこの所得制限で受給対象者から外れてしまいます。
遺族基礎年金の計算式(配偶者が受け取る場合)
老齢基礎年金満額(816,000円)+子の加算額
第一子・第二子は234,800円、第三子以降は各78,300円
S美さんは遺族基礎年金の要件をクリアしてますね。
次に遺族厚生年金についてご説明します。
遺族厚生年金とは厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が亡くなった時に
その方によって生計を維持されていた遺族が受給できる遺族年金です。
遺族厚生年金の受給要件
1.厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
2.厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やケガが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている方が死亡したとき
4.老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
5.老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
※4.5の要件については保険料納付済期間が25年以上ある人に限られます。
受給対象者 優先順位
1.子のある配偶者
2.子(18歳になった年度の3月31日までにある方・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方)
3子のない配偶者
4.父母(55歳以上)
5.孫(18歳になった年度の3月31日までにある方・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方)
6.祖父母(55歳以上)
S美さんは遺族基礎年金・遺族厚生年金を受給することができます。
そしてお子様が18歳到達年度末になると遺族基礎年金は原則打ち切りになります。
その後はS美さんの老齢基礎年金が受給できる65歳までの間、遺族厚生年金に中高齢寡婦の年額612,000円が加算されます。
共働きだったら、65歳以降は遺族年金はもらえない!?
ご質問にありました共働きの場合、遺族年金はもらえるのか?についてお答えしますね。
S美さんは会社員として仕事をされているので65歳からはご自身の老齢基礎年金・老齢厚生年金・遺族厚生年金を受給されることになりますが、
ただし・・・
遺族厚生年金はご自身の老齢厚生年金相当額を差し引いた額、差額分になります。
つまりご自身の老齢厚生年金があることから、その差額分遺族厚生年金は減ってしまいます。
仮に遺族厚生年金が年額90万円とします。まだ40歳のS美さんが今後会社員で60歳まで仕事を続けられたとすればおおよそご自身の老齢厚生年金額が遺族厚生年金額を上回る可能性があります。その場合遺族厚生年金額は0になりご自身の老齢厚生年金を受給されることになります。
個人的な意見
年金制度って複雑ですよね、、だったら、遺族厚生年金がもらえなくなるなら会社員を続けることは損じゃないの?というご相談がよくありますが、
厚生年金とは報酬比例(現役時代の給与がベースになります)の部分があるため亡くなった夫がよっぽど現役時代、高収入だったという方でもない限り
月15万円以上の遺族年金を受給することは難しいでしょう。
そうなるとS美さんはせっかく会社員勤めをされているならご自身の年金額を増やしていくことの方が賢明ではないでしょうか。
S美さんご自身の生涯年収をあげていくことが大切です。
しかし必ずしも会社員として働き続ける必要はありません。重要なのは無理せず長く仕事を続けること。
それが生涯年収UPにつながりますよね。
それにこの遺族年金の制度自体、見直しが検討されています。遺族年金が廃止されるということはありませんが、この改正案によって
受給できなくなる方もでてくるのではないでしょうか。また遺族年金の試算額もかわることが予想されますので現在加入している
生命保険なども見直しが必要になります。
こんな先行き不安な世の中で、働き方を見直すことも重要です。とくにシングルマザーの方は頑張って少し給与がUPしても、その分税金があがったり、児童扶養手当が減ったりと損をすることもあります。繰り返しになりますがS美さんご自身の生涯年収をあげていくことが大切です。
それには無理をしない、継続できる、そして損をしない働き方が重要です。
今後シングルマザーの働き方についてのポイントをお伝えしていく予定です♪参考にしてくださいね。
遺族年金の見込み額は亡くなられた方の年齢・年金加入期間・収入によって試算額はかわってきます。
正確な情報を知りたいなら年金事務所にご相談に行かれることをおすすめします。
筆者も相談に行った経験があります。親切に教えていただきよかったです。
ご主人と一緒に行くか、一緒に行くことが難しければご主人の委任状をもっていけば詳細な
遺族年金見込み額を知ることができます。委任状は日本年金機構HPでダウンロードできます。

